「それはそうと、ルイス様。一部の貴族と長老の間に、何やら良からぬ動きがあるようです」

「ああ、気付いている。ユーリ絡みのことだな。私も注意しているが……ユーリの警護には、一層注意してくれ」

「わりました」

ブラッドが退室して一人になると、怒りのまま壁に拳をぶつけた。何をどうしたって、貴族の娘など娶る気はない。
私に必要なのは、ユーリだけだ。ユーリが手に入らないのならば、何もいらない。