その瞬間、ふと上げられた青年の視線が私を捉えた。そして、見過ごしてしまうぐらいわずかに、口角を上げた。
クリス!?
どういうこと?クリスが陛下の横に座っている。そこは、王太子であるルイス様が座る席なのでは?
疑問符が飛び交う頭の中で、ふとひとつの結論にたどり着いた。
もしかして、クリスがルイス様だった?
そこでハッとした。
先日、クリスと王都へ行った際に、ブラッドに案内されたあの狭くて暗い通路。
〝万が一の時、陛下をはじめとする王族の方々を逃すルートだ〟
そう言っていたはず。
クリスの予想外の告白と、初めてのデートに浮き足立ってすっかり聞き流していた。
もう一度前方に座るクリスを見れば、そこには私といる時には見せたこともないような、厳しい視線で前を見据えた王太子の姿があった。まるで、今私が思い至ったことに対して、〝正解だ〟とでも言うように。
クリス!?
どういうこと?クリスが陛下の横に座っている。そこは、王太子であるルイス様が座る席なのでは?
疑問符が飛び交う頭の中で、ふとひとつの結論にたどり着いた。
もしかして、クリスがルイス様だった?
そこでハッとした。
先日、クリスと王都へ行った際に、ブラッドに案内されたあの狭くて暗い通路。
〝万が一の時、陛下をはじめとする王族の方々を逃すルートだ〟
そう言っていたはず。
クリスの予想外の告白と、初めてのデートに浮き足立ってすっかり聞き流していた。
もう一度前方に座るクリスを見れば、そこには私といる時には見せたこともないような、厳しい視線で前を見据えた王太子の姿があった。まるで、今私が思い至ったことに対して、〝正解だ〟とでも言うように。



