異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

ついに、夜会当日。ドレスは当日の朝、クリス本人から部屋へ届けられた。この部屋にクリスが来ることは初めてのことで驚いた。

「ユーリ、これを」

手渡された木箱を開けてみれば、クラッシックなデザインのネックレスが姿を現した。トップには、深みのある紫色の宝石が、存在感たっぷりにはまっている。

「すごい……触れるのが怖いぐらい」

「これは、私の家に代々伝わるものだ。今日から公の場では、これをつけていて欲しい」

「そんか大切なものを、私が?」

「ああ。ユーリだからつけて欲しいと思った」

「わかった」

こんな豪華なものを受け取っていまい、朝からそわそわしている。ブラッドの説明では、ライラと共にブラッドの案内で会場へ行き、タイミングを待って入室するらしい。
夜会には他にもたくさんのご令嬢が招待されており、かなり大掛かりなものだと聞いて、今更ながら腰が引けてしまいそうだ。