異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「クリス、今日は王都に何をしに行くの?」

「今度、ユーリを夜会に招待したいんだ。そのために必要なものを揃えに行くつもりだ」

「夜会……?」

「そうだ。ああ、何も心配することはない。ユーリはユーリらしくいてくれればいい。ダンスは少し練習してもらうことになるが」

「えっ?」

「私が踊らなければ始まらないからな。だとすれば、相手はユーリしかいない。心配することはない。簡単な動きさえ覚えてくれれば、あとは私がリードする」

これは従うしかなさそうだ。クリスの目が、もう決定事項だと語っている。

「わかった。誰に教えて貰えばいいの?」

「私に決まっている。しばらくの間、剣術の時間はダンスの練習だ」

お互いの想いを伝え合って、ふわふわした気持ちのうちに、なんだか大変なことを決められている気がするけど……