異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「この国で、自分の瞳や髪と同じ色の贈り物をする意味を、ユーリは知っているか?」

昨日、ライラが教えてくれたばかりだ。私はこくりと頷いた。

「それなら、私の気持ちはもう知っているね?」

「は、はい。でも……」

「でも?」

「私は、この国の人間じゃなくて……」

「それで?」

「誰かを好きになるなんて、無責任すぎです」

「ということは、ユーリがこの国の人間であったなら、私と同じ気持ちを抱いていたということか?」

「そ、それは……」

「違うのか?」

クリスに促されるまま俯いていた顔を上げると、熱い眼差しに捕らえられてしまう。彼は急かすことなく、私の返事を待っている。