異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

私と目が合うと、彼の綺麗な空色の瞳が優しげに細められた。

「やあ、ユーリ。思った通り、よく似合ってる」

上から下まで、私の全身をじっくり見ると、クリスは満足そうに頷いた。

「こ、こんな素敵なワンピースを、ありがとう」

「ああ、どういたしまして」

そうニッコリ微笑むと、クリスは私の後ろにいたブラッドに目を向けた。

「ブラッド。あとはよろしく」

何をよろしくしたのかわからないけれど、クリスはブラッドと目を合わせると、一つ頷いた。
そして、唐突に私に手を差し出した。

「ここからは、ユーリが行ったことのない世界だ。私から離れることのないように」

そう真剣に言われて、ワンピースに隠した短剣の重みを思い出した。

〝いつ何時誰かに襲われてもおかしくない〟

ブラッドの言葉の重みも思い出して、クリスの手に自分の手を添えた。

「では、行くとしよう」

案内してくれたお礼をブラッド伝えて、クリスと共に、外に足を踏み出した。