陛下の中では、既に結論が出ているということか。しかし、そんなに容易い話とも思えない。

「問題は、貴族や長老達だ。異世界から来た女神の詳細は、他言してはならぬ。ユーリ自身が、長老をはじめとした周りの者に、その功績を認めさせ、王太子が望んで妃に迎えるのだ。わかるな、ルイス」

静かに頷くと、陛下は満足そうな顔を見せた。
ユーリを欲する自分にとって、有利な話であることは間違いない。

ただ……彼女との間に誤解を生むようなことをしたくないと、心のどこかで思ってしまう。