値札人間

途端に恐怖心が湧いてきて、あたしは逃げるようにトイレから出た。


「アンリ、本当に大丈夫? 来たときから体調悪そうだったしさぁ」


アマネが心配してあたしの背中をさすってくれても、その顔を直視することはできなかったのだった。