「やっぱお前勇気ある男やわ!大ちゃんにあんなにも向かい続けるんやから!」


「ああ、俺もびっくりしたわ」


「もうええやろ?こいつを俺たちの仲間に認めてやろうや」



大ちゃんと呼ばれた少年は少し悩んだふりをすると、仕方ないと言うように頷いた。


泥だらけの袴、体中は痛みを感じている。

それでもどうしてか私が知るものとはやっぱり違う。


そこにあるものは、痛みだけでは無かった。



「梓!今日からお前は俺たちの仲間やで!」


「う、うん」


「だからもっと喜ばんかい!」



喜べって言われても…。

いきなり担がれて落とされて、喜ぶより困惑の方が大きい。


すると少年AとBは手を差し出してくる。



「俺は大助(だいすけ)や。みんな大ちゃんって呼んでるわ。よろしくな」



一番に背が大きいこの少年は、さっき私を担いだ男だった。

歳は13歳。

この町の子供たちの中でお兄ちゃん的立場らしい。



「俺は虎吉(とらきち)。八百屋の息子やってん。明日野菜持ってきたるわ」



虎吉は色黒で、ひょろっこい男。