「梓、ちょっと散歩に行かない?」


「勝手な外出は駄目だって…」


「大丈夫。土方さんには僕から伝えとく」



その女の子はふと、たまにとても哀しい顔をする。

誰かを求めているみたいに。


愛情、というのかな。


そんなものをいつだって少女は探している。

手探りで、宛てもないまま。

それでも期待などしていないから、例え見つからなくったって少女は決して落ち込んだりしない。



「ほら行こ。梓と一緒に行きたいところがあるんだ」



すごく、昔の僕に似ている。


だから君もこんな場所に来てしまったのかなぁ。

ここは孤独な人たちの集まりだから。

どんなに馬鹿にされたってどんなに醜いと言われたって、馬鹿みたいに走り続ける。



「…すごい食べるね沖田さん」


「梓も食べなよ。ここのお団子は僕のお勧め」



餡蜜もいいなぁ。

あ、ぜんざいも。