「うおっ!なにすんだよ総司!」


「さすがに男に近付かれたって梓も嬉しくないでしょ」


「はぁ?こいつは弟みたいなモンだろ」


「てか平助、巡察の時間」


「あっやべ!」



ほら、今みたいに。


僕がもし助けなかったら、君は今頃あのまま平助に袴でも脱がされてたんじゃないの?

子供なんだからさ。

でも子供だからこそみんな距離も近くなる。


…それは僕もか。

相変わらずきょとんとしてるし…。
本当に大丈夫かな、この子。



「それは何?」


「…拾ったの」



その子はキラキラと輝く硝子のような玉を空へと掲げて見つめている。

こんなもの初めて見た。



「ビー玉、って言うんだよ」


「びいだま?南蛮のもの?…物知りなんだね」


「…うん」



少し口をつぐんで、そして再びその玉を見つめた。