「近藤 勇さんのお墓参りに来たのですが…」


「もしかして新撰組のお仲間さんかしら…?」


「…はい」


「あら。遠路遥々ごめんなさいね」



ちょっと待ってて───と、女性は再び中へ入っていった。


近藤さんの家族のことはあまり聞いたことがない。

土方さんの時みたいにお姉さんなのかな…。


コロコロコロ───。



「……」



少し遠くから転がってきた毬が、私の足元で止まる。

懐かしいなぁ…私もよく朔太郎達と遊んでいたっけ。


もうあれから1年が経ったんだよ朔太郎。


青く広がる空を見つめた私に、7つ程の女の子が駆け寄ってくる。

花束を握り締めた私を物珍しそうに見つめる瞳。



「お姉ちゃん、どうして袴を着ているの?」


「……」



まさかのバレている。


大人は欺けても子供の純粋な瞳は騙すことが出来ないらしい。

苦笑いを決め込んで、早く先程の女性が来ないかとキョロキョロ見回して誤魔化した。