「───…はっ…、」



目が覚めた時、見知らぬ旅館の一室に寝かされていた。

ここはどこ…?あれからどうなったの…?

土方さんは…?



「近藤さんは…!?」



すぐに起き上がって襖の先へ飛び出す。


あれからどれくらいの時間が経ったのかすらも不明。

ただ2人の背中を探して回るけれど、旅館に静かに入ってきた男を目にしたとき、その目に光など宿していなくて。


そして彼の横にいつも居た人もいない。



「近藤…さんは…?」


「…てめえは寝てろ。この後どれくらい休めるか分かんねえぞ」



寝てないのはあなただって同じ。

目の下、すごい隈だ。

そんな土方さんは、右手に持ったたくさんの紙をグシャッと握り潰した。



「近藤さんはな…、近藤さんは───…」


「土方さん…っ!」



気を失ったように私の胸にもたれ掛かった土方さん。



「……ちくしょう…」



弱々しく呟いて目を閉じ、それから3日間眠ったままだった。