沖田side




大坂城へ来て数ヶ月。


わりとここら辺は体制がしっかりとしているのか、戦は落ち着いているようにも見えた。

それでも僕の病気は進行など止まってはくれない。



「新撰組、只今戻った」



土方さんの声に、また人数の減った隊士達が並んだ。

会う度に減っていく人数に悔しさを隠せられず拳を握る。


それでもそんな中に、1人の少女を目にすると胸は落ち着いた。



「どうしたのその傷」


「…ちょっと転んで」


「またその言い訳?」


「これは本当だよ」



その子の瞳には、せっかく戻ったはずの光はボヤけるように霞んでいて。

哀しさと絶望の中に生きているようだった。



「沖田さんは大丈夫…?」


「うん、まぁぼちぼちかな」



片足に包帯が巻かれており、それでも全く問題ないと言う。


───女の子なのに。