───
──────
─────────




───パァンッ!!!



「っ…!」



また鉄砲の音だ。

睡眠を妨げるその音に今日も目を覚ますと、まだ朝陽が昇った直後だと悟る。

だんだんと近付く音。
戦がすぐそこまで近付いている合図。



「斎藤!原田!てめえらは隊引き連れて先に行け、俺もすぐに向かう」


「承知」


「あぁ了解!!」



新撰組はあれから体制が日に日に変わって行った。


伊東甲子太郎率いる御陵衛士と近藤率いる新撰組、2つに別れた1つの組織。

そこには伊東派に付いた幹部もいた。


人数も減って、その代わりにまた募集をかける。

しかし戦が増える分、命を惜しむ隊士も増えていた。


それからまた月日は経って───戊辰戦争。


そんな戦の真っ只中に私達はいた。



「駄目だ土方さん!!ここもいずれ攻められる!!」


「撤退はしねえ。永倉、何とか持ちこたえろ」


「って言われてもよ!!薩摩も長州もすぐそこまで来てるんだって!!」



頼むから撤退の命令を出してくれ───…。

永倉は頭を抱えながらも数少ない隊士を率いて先頭を走って行った。