小姓の仕事は、どこまでも共に仕えたその人を最後まで守り抜くこと。 例えそれが命を落とすような危ない場所だとしても。 怯えず、厭わず。 それが私達の役目。 『お前がそんなに弱い奴だとは思ってへんかったわ…!』 『約束したやろ!立派な武士になるって…!!』 『あの人たちを守れないで何が小姓や!!何が武士や!!』 腰抜け、臆病者。 彼から出た言葉はいつだって梓の的を獲ていた。 その夜、少女は何を思ったのか。 なんの為に、誰の為に、その暗闇の中を走ったのか。