───
──────
─────────




「───…おかぁ…、さん…」



木目のついた天井、薄く冷たい布団。

額に乗せられた手拭い、起き上がろうとしても痛む脇腹。


あぁ、帰ってきた。


目を覚ました私に気付いた山崎さんは、すぐに襖を出て行った。



「梓…!良かった…!」


「…死んだなんだ言って死なねえのがお前だよな」



目に涙を浮かべる近藤さんと、安心したように息を吐いた土方さん。

そして沖田さんの隣にいる少女の姿が目に焼き付いては離れない。


やっぱりどこか似てる…。

小さな女の子は私の手を掴むと、不安げに見つめた。



「…あずさ、」



小さく消えそうな声。

どうして私の名前を知っているの、とは聞く意味もないような気がして。


そのぬくもりが温かかったから、それだけで十分だった。