腐った男の死が自殺と断定される頃、ウサギはまだ真里のささやかな変化に気が付ける程、刑事としての勘を成長させてはいなかった。


 いや、どんなに経験を積んだ敏腕な刑事であろうとそれに気付く者などいなかったであろう。真里はそう振る舞っていたのだから。