ただただ重い時間だけが過ぎていく。
この状況を、先輩は気まずいって思ってないのかな。
いや、少なからず思っているんだろう。だって今までは私といるときあんなに話してくれたのに。
今の私たちの間には口を開くことすら許されない空気がある。
結局私語は一度もしないまま、六時を迎えた。
本当にこれで終わっていいのか。
今を逃したら、先輩と二度と話せなくなる気がする。
村田くんが作ってくれたチャンスを何も出来ずに手放して、後悔しないだろうか。
先輩と図書室を出る瞬間、急に焦燥感が私を襲った。
振られて傷付くよりも、あのとき言っておけば良かったって後悔する方が辛いかもしれない。



