クラスの中でも一番目立つその集団は、今日も例外なく目立っていて、周りの女の子たちの目をキラキラさせている。


髪の毛をカッコよく決め、オシャレで顔面偏差値が高い彼らが注目を浴びているのはいつもと変わらない光景。


って、のんびり眺めてる場合じゃなかった!


さっき廊下でばったり会った担任の先生に「ついでに渡しといてくれ」と持たされたのは、クラスメイトの永瀬(ながせ)(さく)くんのノート。


クラスメイトのノートを預かるなんて、大したことないのかもしれないけど。


彼だけは別。


"永瀬朔"という男の子は、私がいちばん苦手な人だから。


そんな彼があの集団のなかにいるものだから、困ってるんだ。