同時に、朔くんが出て行って扉が閉まった音がした。


な、なに、今の……。


ドクンドクン……。


温まった体が、さらに熱を上げていく。


一瞬だったけど、思いっきり目に焼き付いてる。


程よく筋肉のついた胸元が、露になった姿を……。


男の子の上半身なんて、プールや海でいくらでも目にしているけど。


あまりにも不意打ちすぎて、心臓に悪いっ……。


「か、鍵くらいかけとけよ!」


扉の向こうからは、焦ったような朔くんの声。


「ご、ごめんっ。びしょびしょで慌ててたから忘れちゃって」


いつもお風呂に入るときは脱衣所に鍵をかけるんだけど、すっかり忘れてた。


お風呂に入るっていう意識が薄くて。


それに、朔くんもまだ帰ってないから油断してた。


「忘れてたって……はぁ……」


盛大なため息が聞こえてくる。