夕方、瑠南の部屋。
ベッドの上で、各々スマホを触っている俺たち。


いつも通りまったりしている瑠南の背後で、異常に緊張している俺。
冷や汗が止まらない。


理由は簡単、ドッキリするから。


以前言っていた、俺が女と仲良さそうにLINEしてたら瑠南はどんな反応をするのか、検証。
ついでに、推しのLINEをあげるって言われたらオタク・瑠南はどんな行動に出るのか、を兼ねて検証することになった。


瑠南の大好きなMelodiaの澪に協力してもらって、女の子のフリしまくりのLINEのやりとり。


三台のカメラで作業部屋にいる琉星と澪に俺たちの様子は垂れ流しされている。


……とにかく緊張なんだが。


「瀬那ー」
「ん?」
「誰と連絡とってるの?」


カチカチとフリック音がずっと聞こえてくるのに、SNSが一切動かないから不審に思ったらしい。
振り返った瑠南はじっと俺のことを見つめてくる。