小さい声で呟く中性声。
弱々しさから、女子っぽく聞こえる。


自分が持ってないもの、か。


「……まぁ、わかる」
「うん。そうだろうな。
瑠南はそういうタイプだもんな」
「……なんだよ」
「あざとくて、甘え上手で、なんでも完璧にこなす瑠南。一方?
不器用で、瑠南にしか甘えれない甘え下手、地道な道を歩んで完璧を演じる瀬那。これは天と地の差だろ」


……確かに。


「いやぁ、いいね。2人ともラブラブじゃん」
「付き合ってないけどな」
「早くくっついちゃえばいいのに。瀬那とか特に」


わかりやすくニヤッと笑う琉星。
それしたら、また敵増えるだろうよ。
ただでさえ、俺の正面に敵がいるっていうのに。


「まぁ、わかるけどさ。敵が輝星だけじゃなくて俺まで増えたらてんやわんやだよね」
「わかってんなら言うなし。……そうじゃなくても、考えることもあるし」