「どこに行くのか聞いてたの。隣の診療所に先生の様子を見に行くって言ってた」


「なぁんか、怪しいよなぁ」


あたしの説明を聞き終えると同時に柊真が頭をかきながら言う。


「やっぱり、そうだよね?」


なにが怪しいのかよくわからない。


けれど大西さんという人間そのものがどこか妙なのだ。


「ついて行ってみる?」


そう提案したのはヒナだった。


ヒナも徐々に大西さんの怪しさに気が付いているみたいだ。


誰の言う事もきかないようなギャルたち3人を簡単に手玉に取ってしまったのだから、怪しく感じても不思議ではなかった。


「ちょっとだけ、ついて行ってみようか」


あたしはそう言い、立ち上がったのだった。