これはなに……?


考える暇もなく、犬歯が急速に伸びていく。


ついでお尻の骨からなにかが付きだして行くのを感じた。


「これが戦闘態勢の姿よ」


大西さんへ視線を向けると、彼女の犬歯は牙のように長く伸び、おしりは大きくつきだして服の上から針が突き破ってでてきていた。


さながらその姿は……本物の、蟻。


大西さんだけじゃない。


あたしも、柊真も、ヒナも、遊星も。


全員が同じ姿に変化していく。


この牙と針で相手を攻撃するのだと、本能的に理解した。


変化を終えると全身からゆっくりと熱が下がって行くのを感じる。


「やっと準備が終った?」


その声に振り向くと数十人を従えたアイリが立っていた。