保健室を追い出されたあたしたち3人はそのまま学校を出て帰路を歩いていた。


さすがにA組に戻る気分ではなかった。


教室内ではみんなが大西さんの近くにいて、彼女を慕っていることだろう。


そんな光景、見たくなかった。


「明日からどうする?」


分かれ道に差し掛かった時、ヒナが不安そうな声色でそう聞いて来た。


明日から教室へ行かなければならないという事実が、あたしの胸にも重たくのしかかってくる。


「仕方ないだろ。クラスに行くしかない」


柊真が歩道のアルファルトを睨み付けて答えた。


「でも、あたしは行きたくない……」


ヒナはそう呟いて俯いた。


遊星の姿を見るのが嫌なのかもしれない。


大西さんに直接キスをされた遊星。