だけどそれは一瞬で、すぐにいつもの顔にもどった。



「あー寝直すか」


今度つついたら指折るからな、って釘を刺される。


ちゃんとバレてる。


ということは、あの発言も聞かれていたということになる。


なにも感じない、とか。



「あの、とくに深い意味はないんで。あ、いや。深くも浅くも意味はないんで気にしないでください、ホントに」


「喋れば喋るほどボロが出るよな、お前って」

「うっ……」


「じゃ、寝るから」

「あ、待って。寝るなら自分の布団で、」


寝てください。


言おうとしてやめた。どうせ無視されて終わりだ。