昨日の出来事を話すと、それまで黙って聞いていたすうちゃんに「ばっかじゃないの!」と怒られた。
「不良を家に上げるとか、何かされたらどうすんのよ!」
「でも何もされなかったよ」
「それは奇跡だったわけ!もし違う人だったら、ふにゃふにゃしてるあんたなんかすぐにヤられてるよ」
「やられるって、なにを?」
「犯されてたってこと!」
私はぎょっとしてすうちゃんの口を手で塞いだ。
幸いにもホームルーム前の教室は騒がしかったから、周りには聞こえていないようだった。
ほっとして手を離すと、すうちゃんはまだ言い足りないように息を吸う。
「その不良だって、弱ってたから手を出さなかったのかもじゃん。カヤはぼーっとしてるからすぐに……」
「わ、わかったから!その続きは言わなくていいから」
それにしてもふにゃふにゃとか、ぼーっとしてるとか。
すうちゃんの目には私がどう映ってるんだろう。