さっそく放課後に買いに行こうねってなって、その話はいったん終わった。


空になったお弁当を包んでいたこっちゃんが、切なげなため息を吐きながらある席を見つめた。



「あーあ、さすがに二日連続では来なかったかー」


こっちゃんが熱っぽい視線を送っているのは、花平くんの席だった。


昨日は来ていた花平くんの姿を思い返しているのか、目をつぶって天を仰いでいる。



こっちゃんが思いを寄せている人。


それは何を隠そう花平くんで。



はじめて花平くんがクラスに姿を見せたときは「花平くん、本物だ……生花平くん」って泣いて拝んでたっけ。


ミーハーなすうちゃんより、花平くんと同じクラスであることを喜んでいて。

理由を聞くとどうやら本気で好きなんだってことを知った。


花平くんに恩があるらしくて、その内容は教えてもらえなかったけどこっちゃんは興奮ながらに花平くんの魅力を語ってくれた。


花平くんは本当はとても優しい人で、強いんだって。