それに俺が妬かないかと、ヒヤヒヤしている由乃を見るのがたまらなく楽しい。



何度子どもを仕込んでやろうかと思ったことか。



「次は野芝さんじゃないのー?」

「俺は…そうだな、そろそろだな。まさか嵐生が先に結婚するとはなぁ」



野芝さんにはモデルの彼女がいて、付き合って2年半くらい。



スラッとした美人。



何度か会ったことがあるけど、紗雪タイプの気の強そうな人だけど、野芝さんがしっかりと手綱を握っている。



まだ入場してこない新郎新婦。



由乃はロック調に飾り付けられたチャペルに目を輝かせいていて、その由乃が可愛い。



「お時間ですので、こちらへ」

「あっ、はーい」



今日は結婚式。



ロック大好きな嵐生の、ロックな結婚式の始まり。



パイプオルガン?



いやいや、エレキギターです。



神様に怒られそうな爆音。



嵐生の替わりに弾くギターと、安定のリズムを刻むドラム。



そして、もう緊張しなくなった穏やかだけど力強いベース。