俺様天然男子

イルミは夜だから、まずは水族館。



調べたらコインロッカーがあったから、荷物はそこに預けて、魚を見る。



「久しぶりに来た…」

「理音くんっ‼︎タイだよ‼︎たい焼きだねぇ」

「食べたいの?」

「ちょっと」

「あっ、フグだって。怒った時の雛森だ」

「怒っても膨らまないよ、あたし」

「パタパタしてるじゃん」

「してないもん」

「可愛い、フグ。欲しいなぁ」



あっ、おめでとうを言ってないっ‼︎



お互いの髪のことですっかり忘れてた…。



「雛森?」

「んー?」

「お誕生日おめでとう」

「へっ⁉︎あ、ありがとう…」

「照れてる。タコみたい」

「タコよりは少し…マシじゃない?」



雛森はなんだって可愛いんだよ。



フグでもタコでも。



なんでも可愛いの。



この繋いだ小さい手も、パーマをかけたその髪も。



『雛森』ってだけで、なんでも可愛い。



「理音くん、プレゼントは?」

「そ、それは…後で…」



『由乃』って、呼ばなきゃ…。