一曲が終わった後の、体育館中の異様な興奮状態。



プロのライブみたいで、すごく熱い。



「間違えなかったよ、俺。褒めて、理音」

「うん…」

「ありがとう。で、次はもっと熱いんで」



歌ってる時と今の『うん…』は別人じゃない?



2曲目は、山口くんの言葉通り、さらに熱くなった。



理音くんがものすごく楽しそうで、めちゃくちゃ乗ってくれてる最前列の3年生の先輩に向かって『もっと盛り上げろ』と言わんばかりの煽りを入れた。



なんか、泣きそうかも…。



理音くんがかっこよすぎて、すごく楽しそうで。



歌いながら山口くんと目を合わせたりすると、さらに楽しそうなの。



こんな理音くん、見たことない…。



「紗雪っ、泣きそうっ…」

「ごめんっ、あたしムリっ‼︎」

「へっ⁉︎」



紗雪の目からポロポロと涙が溢れていた。



わかる、その気持ち。



このメンバーと遊んでると、こんなにかっこいいなんて想像もつかないんだもんね。