(今の足音は何だろう?

もしかして動物の足音?

さっきの足音はそ小さな生き物の足音とは思えない)



暗闇の理科室の中で、複数の動物の足音がガサゴソと聞こえていた。



その足音の正体がわからないせいで、美樹子は余計に不安になった。



そして美樹子は不安の中でその足音に耳を澄まし、その足音の方に目を向けると、そこにはたくさんの赤く光る瞳が並んでいた。



(何なの、この猫よりも大きなネズミは?

こんなネズミなんてあり得ない……。

もしかして、この生き物が殺人ネズミ?)



美樹子はその巨大なネズミを恐怖の中で見つめながら、マイページに流れてきた『重大なお知らせ』のことを思い出していた。



リベンジゲームを影で操っているのは、あの奇跡の科学者、生神亮治だ。



遺伝子操作が専門の生神なら、こんな巨大なネズミを作ることも可能に違いないのだ。



美樹子はたくさんの殺人ネズミと向き合い、自分の命があとわずかでなくなることを悟ってしまった。



昨日まで、自分が死ぬ日は、ずっと先だと思っていたのに……。