「この校舎のマップを見てみて」



晴江のその言葉で早苗と菜々美は晴江の胸の前に映し出されているマイページ内のマップに目を向けた。



「今は1年4組の教室と放送室に赤いランプがついている。

でも、この赤いランプは十分ごとに違う場所で点灯するの。

つまり、今さらこの赤いランプが点いている場所に行っても無駄足になるだけよ。

だから私はこの赤いランプを追いかけない」



晴江の言うことはもっともだが、赤いランプを追わないことにはいつまで経っても校門を開けるスイッチにはたどり着けない。



早苗はそんなことを思いながら、晴江の顔をじっと見ていた。



「ねぇ、晴江。

それじゃ、いつまで経ってもこの学園の校門を開けられないよ。

やっぱり私たちは赤いランプを追うべきじゃ……」



早苗のその言葉に晴江は流されることなく、冷たい表情のままで話し始めた。