助けを求めても何も答えない加藤先生に今度は麻耶が訴えかけた。



「先生、私、こんなデスゲームに巻き込まれて死ぬのが怖い!

どうすれば私たちは助かりますか?

どうすればこの学園から逃げれますか?」



麻耶が加藤先生に聞いてきたことは、加藤自身が最も知りたいことだった。



何で自分は3年2組の生徒でもないのに、こんなデスゲームに巻き込まれているのだろう?



加藤はそんな生徒の質問には興味を示さず、そんなことを考えていた。



「凉子、麻耶、小原紗栄子が自殺するほどに苦しんでいると知っていたなら、どうして僕に教えてくれなかったんだ?

僕がそのことを知っていたなら、紗栄子は死なずに済んだかもしれないのに……」



加藤がそう言うと、凉子と麻耶は口をつぐんだ。



凉子と麻耶は紗栄子へのいじめのひどさを知っていたが、そのことを口にすることはできなかった。



紗栄子を助けたならば、自分までもが巻きぞいになって、いじめられると思っていたから……。