「待たせたね、西条学園中学の諸君。

私が生神亮治だ」



教壇の前に突然現れた生神亮治のARが3年2組の生徒たちに話しかけた。



智恵はそんな生神亮治を恐れながら、彼の口から不吉な言葉が出てこないことを願っていた。



(この人が奇跡の科学者、生神亮治……。

長い白髪に小柄な体。

動画で見たのと一緒だ……。

だけど、生神亮治の容姿って、本当に死神みたい。

私はそんなあの人に恐怖を感じる。

あの人は奇跡の科学者なはずなのに……)



「君たちはおそらく私のことを知っていると思う。

私は総理大臣よりも有名だからね。

そんな偉大な私がこんな平凡な生徒が集まる中学校に来たのは理由がある」



生神はそう言うと、一拍間を置き不気味に笑った。



「私はこの学校で自殺した小原紗栄子に頼まれたんだ。

この世にまた生き返らせて欲しいと。

小原紗栄子は君たちに復讐がしたいらしい。

君たちに思い当たることはあるかい?」



生神のその言葉に虎治が席を立ち、今にも生神に飛びかかりそうな勢いで、怒鳴り散らした。