日の出とともに紗栄子は息を引き取り、リベンジゲームは終わりを告げた。



リベンジゲームを生き残った野村智恵は紗栄子の死を見届け、紗栄子に別れを告げると、ヨロヨロとおぼつかない足取りで西条学園中学の校庭へ向かって歩き出した。



(紗栄子が死んでリベンジゲームが終わった。

でも、リベンジゲームって何のためにあったんだろう?

このゲームはみんなを破滅に向かわせただけだった。

私は生き残れたけど、他のみんなは……)



智恵は校庭へと向かう途中の廊下で、クラスメイトの遺体を目にした。



その遺体は白石彩佳というクラスの人気者だった女子生徒で、制裁の槍で胸と喉を刺されて、血まみれになって倒れていた。



智恵はその血まみれの遺体を見ると吐き気がして、思わず口元を押さえていた。



(何て残酷な殺され方なの……。

昨日まで、普通に話をしていたクラスメイトなのに……。

この校舎内は本当に地獄だ。

早くこの校舎から出ていかなくちゃ……)



紗栄子の憎しみの痕跡はまだ校舎内の至るところに残っていて、智恵はそれから目をそむけるように歩き続けた。



この呪われた西条学園中学から少しでも早く出ていきたいと思いながら。