リベンジ学園

「バケモノ相手に正面から戦うのは得策じゃない。

力だけで勝負したら、負けは見えてる。

でも、番犬ルドルフに勝てる方法はちゃんとあるわ」



「番犬ルドルフに勝てる方法って何?

どうすれば私たちはリベンジゲームを終わらせられるの?」



「種を明かせば簡単なことよ」



晴江はそう言って微笑むと、早苗の方へ目を向けた。



「一人が囮になって、番犬ルドルフの注意を引き付ける。

それで注意力が散漫になった番犬ルドルフの首をこのシャイニングサーベルで斬り落とすの。

簡単なことでしょ」



晴江は自信満々にそう言ったが、晴江の言葉には大切な説明が抜けていた。



それは誰がどうやって、番犬ルドルフの注意を引き付けるのかということだ。



早苗はその疑問が頭に浮かぶと同時に、胸の奥の方から不安が込み上げてくるのがわかった。



晴江はカリスマ性はあるものの、倫理観の欠片もないほどに冷たい女だ。



早苗はそれを誰よりも知っていた。



そして早苗は少し怯えながら、大事なことを晴江に話しかけた。



「晴江が言いたいことは私にもわかるよ。

誰かが番犬ルドルフの注意を引けば、番犬ルドルフを倒すチャンスができるよ。

でも、番犬ルドルフのテリトリーに入って、注意を引き付けるなんて無理だよ。

どう考えてもできっこないよ」



早苗がそう言って、晴江に強く訴えかけたとき、晴江はなぜかニヤリと笑った。



早苗はその晴江の笑みに嫌な予感がして仕方がなかった。