リベンジ学園

「菜々美はビビって来なかったのね。

このリベンジゲームが終わったら、菜々美に罰を与えなくちゃ」



「仕方がないよ。

誰だってバケモノは怖いから……」



早苗が菜々美をかばった言葉に、晴江は冷たくこう言った。



「何で勝手なことを口にしてるの?

早苗の意見は聞いてない!」



晴江がそう言った口調は今までになく厳しかった。



「菜々美のクセに私を信じきれないなんて許せないよ。

私は特別な存在なの。

それを菜々美にわからせなくちゃ」



村上晴江はやはり特殊な人間だと早苗は思った。



生まれつきのお嬢様にとって、他人が自分に従うのは当然のことだったのかもしれなかった。



でも早苗は晴江のそういう傲慢なところが嫌いだった。



「安全地帯がわかったところで、早苗に番犬ルドルフを倒す方法を教えてあげる」



早苗は晴江の口から一番聞きたかったその話しに耳を傾けた。



今から数分後には、リベンジゲームクリアへの固い扉が開かれる。



早苗はそれを期待していた。