リベンジ学園

「この狂暴そうな犬はね、檻の中にいる生神亮治のペットよ。

この犬は決められたテリトリーからは出ていかない」



晴江と番犬ルドルフの距離は二メートルまで近づいていた。



早苗は、晴江が敵と近距離にいる危うさをドキドキしながら見つめていた。



「私がこの番犬の檻の位置をわかりやすく示してあげる」



晴江はそう言うと、シャイニングサーベルの先端を地面につけて、線を引き始めた。



そして晴江が描いたその線は西門の中心からキレイな弧を描いていた。



「早苗、こっちに来な。

この線の外側は安全地帯よ」



晴江のその言葉を聞いて、早苗はゆっくりと晴江の方へと歩き出した。



そしてその行為は番犬ルドルフに近づく行為であり、早苗にはそれが恐ろしかったが、晴江を信じなくては番犬ルドルフを倒せない。



早苗はそう思って、恐怖で足を震わせながら晴江のとなりに立っていた。



「来たよ、晴江。

リベンジゲームをクリアするために」



早苗の目の前で番犬ルドルフが牙をむき出しにして、ヨダレを垂らしていた。



あの牙で噛まれたら、自分はきっと簡単に死ぬだろうと、早苗は思い、不安で体が固くなっていた。