リベンジ学園

「晴江、来たよ。

私は晴江を信じる。

晴江は私たちのリーダーだから」



早苗は番犬ルドルフと五メートルの距離を空けて立っている晴江のとなりに来て、晴江に話しかけた。



そして目の前で牙をむき出しにしている巨大なドーベルマン、番犬ルドルフに目を向けると、早苗は恐怖で震えあがった。



(こんな猛獣みたいなバケモノと戦おうなんて考えるのは晴江くらいしかいない。

どうして晴江はいつも自信に満ちているの？

私は晴江がそんな風にしていられる理由が知りたい)



自分の能力と未来を信じきっている晴江は、恐怖に怯えている自分とは全然違うと早苗は思った。



そしてそんな晴江がリベンジゲームをクリアできるように、晴江を信じ、サポートしようと早苗は思った。



「早苗、怖い？

目の前にあんなバケモノがいるんだものね。

怖くないって言ったらウソになる。

でも、安心して。

私が早苗に安全地帯を教えてあげる」



晴江はそう言うと、シャイニングサーベルを握りしめながら、ゆっくりと鋭い牙をむき出しにしている番犬ルドルフの方に歩き出した。



早苗はそんな危ない場所に向かっていく晴江の背中をドキドキしながら見つめていた。



早苗が番犬ルドルフの餌食にならないか？



そんなことを思いながら。