「リリコ、今夜のワインはじつに上手い。

リリコもそう思うだろ?」



リリコは生神にそう話しかけられると、何も言わずに微笑んだ。



それを見た生神はリリコの美しい笑みに満足して、幸せそうに笑っていた。



リリコは恋人である生神に本心を見せずに、生神を魅了することだけを考えていた。



(亮治さん、あなたは姿も心も汚い天才よ。

私はあなたの人並み外れたその才能が大好きなの。

あなたの才能で私を高みに連れていって欲しい。

私は世の中の凡人を高みから見下ろしたい)



リリコは高級ワインを一口飲むと、生神のとなりに座って生神に体を寄せた。



自分の若さと美貌は生神亮治の才能に捧げると心に誓って。