(死ね、紗栄子。

これで終わりだ!)



虎治が渾身の一撃を紗栄子の頭に振り下ろし、それが紗栄子の目前に迫っていた。



すると紗栄子は右手一本で制裁の槍を操り出し、虎治のバッドを槍の鉄棒部分で受け止めた。



でも両手で制裁の槍を支えていたときとは違って、紗栄子は虎治の力に押し負け、虎治のバッドが紗栄子の負傷している左肩に食い込んだ。



その瞬間、紗栄子の顔は苦痛に歪み、虎治は勝利を確信してニヤリと笑った。



二人の戦いは虎治優勢に傾き始め、紗栄子は防戦すらもままならない状況になっていた。



(バケモノになってみても紗栄子がオレに勝てるはずがない。

ケンカはオレのすべてだ。

どんなケンカでもオレは負けねぇ!)



虎治はケンカに対する強い思い込めてバッドを水平に振り抜いた。



そしてフルスイングのそのバッドは紗栄子の顎に直撃した。



その瞬間、虎治の両手に紗栄子の顎を砕いた感触が残り、紗栄子は腰砕けになって膝から床へ崩れ落ちた。



紗栄子はまるで糸が切れた操り人形のように力なく前のめりに倒れ込み、廊下の床に顔から勢いよく落ちていった。



それを見た虎治が自分の勝利を確信すると、声を上げて笑い出した。



自分が紗栄子を倒し、リベンジゲームは自分の手で終わらせた。



虎治はそう思っていた。