(また紗栄子に3年2組の生徒が殺された……。

紗栄子は本当に3年2組の生徒、全員を殺すつもりなんだ。

どうしてこんなことになっちゃったの?

こんなこと想像もできなかった……。

紗栄子が自殺することも、紗栄子が私たちに復讐しようとすることも……)



智恵は図書室の隅に隠れながらマイページを開き、リベンジゲームの進捗状況を確認していた。



今度、紗栄子に殺されたのは恋人同士だった梨華と宏和だ。



二人は直接、紗栄子をいじめてはいなかった。



それでも紗栄子は二人を恨み、憎み、復讐のために殺してしまった。



そんなことを思うと、紗栄子はいじめに苦しんでいたとき、どれほど思い悩んでいたのだろうと智恵はうつむきながら考えていた。



(私はずっと紗栄子の味方でいるって紗栄子に言ったのに、晴江さんからのプレッシャーに負けて、紗栄子を裏切ってしまった。

そんな私を紗栄子は憎んでいる。

他の誰よりもずっと……)



紗栄子は智恵を信頼していた。



自分の唯一の友達だと思っていた。



それなのに、智恵は手のひらを返して、紗栄子の味方をするのを止めてしまった。



紗栄子がそれに気づいたとき、どれほど絶望しただろう?



もしかしたら紗栄子には、世の中のすべてが敵に見えていたかもしれなかった。