(あの赤い光って、生き物の目だ。

何かがベランダから教室にいる私たちを見ている……)



梨華は赤い光の正体に気づいて息をのんだ。



どうして西条学園中学の校舎の中にあんな得体のしれない生き物がいっぱいいるんだろう?



梨華がそう思ったとき、頭の中にある情報と目の前にいる生き物の情報とが一致した。



そして梨華は恐怖に震えながらベランダ側の窓を指差した。



「宏和、大変だよ。

ベランダに殺人ネズミの群れがいる……」



梨華のその言葉にハッとした宏和は、慌ててベランダに目を向けた。