「どうしよう、宏和。

また人が殺されたよ。

紗栄子は本当に3年2組の全員を殺すつもりなんだ……」



篠田梨華はマイページに送られてくるリベンジゲームの情報を見ながら、隣にいる恋人の神武宏和にそう言った。



梨華は普段は清楚な感じの美少女だが、今はそのきれいな顔も不安と恐怖に歪んでしまっていた。



宏和はそんな梨華を心配しながら梨華に話しかけていた。



「大丈夫か、梨華。

震えているみたいだけど」



「宏和、私、怖いよ。

今にも紗栄子がこの教室に入ってきそうな予感がして……」



「なぁ、梨華。

紗栄子に殺されたのはいったい誰だ?」



「加藤先生……。

それに凉子や麻耶も……」



宏和は人が殺された事実に怯えながらそう話す梨華を見て、紗栄子に対する怒りが沸いてきた。



「冗談じゃないぜ。

何で紗栄子はそんなにオレたちのことを憎んでんだよ!

オレたちは紗栄子に何もしてないだろ!」



「違うよ……。

紗栄子は私たちが何もしてないと思ってない」



梨華はそう言ったあとに一拍間を置いてから話を続けた。



「紗栄子はいじめの傍観者もいじめの同罪だって思っているの。

私たちが紗栄子を無視したこと……。

紗栄子はそれを恨んでいるんだよ」



梨華はそう言ったあとに、自分が意識して紗栄子を無視したあのときのことを思っていた。