紗栄子は何を言われているのかわからず、困惑の表情で晴江の顔を見上げていた。



今までは普通の中学生活をしてきたのに、これからは普通ではいられないような予感がする。



自分はもしかして平穏な日々をなくしてしまうのだろうか?



どこかで道を踏み外してしまったのだろうか?



紗栄子は得体の知らない焦りの中で、心臓がドキドキと音を立てるのを感じていた。



「ねぇ、紗栄子。

私はね、ゲームを長く楽しみたいタイプなの。

だから、あなたの心が簡単に壊れないことを願っているわ。

そうすれば、長くゲームを楽しめると思うから」



晴江が意地悪そうにそう言うと、早苗と菜々美がまた下品にゲラゲラと笑った。



紗栄子は一番絡まれてはいけない相手に目をつけられてしまったことに、静かな恐怖を感じていた。