「ねぇ、紗栄子。

何のつもり?

私、誰かにジュースをかけられたのなんて初めてなんだけど」



クラスの女王、村上晴江の態度はいつだって威圧的だ。



紗栄子はそんな晴江が苦手で好きになれなかった。



紗栄子はそんな晴江を相手に何を話して良いかわからず、晴江から目をそらして下を向いた。



「ねぇ、紗栄子。

私に謝らないの?」



紗栄子は晴江の威圧的な態度が嫌だったが、自分の非を認めて、晴江に小さく頭を下げた。



「晴江さん、ごめんなさい。

その汚れた制服は私がクリーニングに出しますから……」



紗栄子が困った表情でそう言うと、晴江はサディスティックに笑い、紗栄子を見下ろすように顔を近づけてきた。



「そんな謝り方じゃ、許す気になれない。

土下座しなさい。

今すぐここで!」



紗栄子は晴江のその言葉に戸惑っていた。



確かに悪いのは自分かもしれないけど、それにしても土下座なんて……。