凉子が紗栄子から槍を奪おうとして槍を握りしめたとき、紗栄子の憎しみに満ちた目が凉子のことをギロリとにらんだ。



そしてその瞬間、凉子は紗栄子の憎しみに満ちた目から自分への圧倒的な殺意を感じ、とっさに槍を手放し、後ずさりをしていた。



(あんなに弱かったはずの紗栄子が、私たちに復讐するためだけに別人のようになって戻ってきたんだ。

紗栄子の恨みと憎しみはどこまでも深い……。

今すぐ逃げなきゃ……)



凉子は蘇った紗栄子には絶対に逆らってはいけないことを知ったが、その知識を得るのが遅すぎた。



紗栄子は不気味な笑みを浮かべながら、素早く前に踏み込むと、右手に持った制裁の槍を腕力に任せて水平に振り抜いた。



そしてきれいな弧を描いた槍の刃先は一瞬で凉子の首を切り落とし、首がなくなった凉子は膝から崩れ落ちて、うつ伏せになって倒れ込んだ。



紗栄子はもう絶命している凉子に追い打ちをかけるように凉子の遺体の背中に勢いよく制裁の槍を突き刺すと、凉子の体がその強い衝撃にビクリと飛び跳ね、凉子の制服は血で赤く染まっていった。



(復讐はクラスの全員が死ぬまで終わらない。

私は奴らに復讐できる日が来ることをずっと待っていのだから)


紗栄子は絶対に忘れることができない憎しみを胸に抱きながら、西条学園中学を更なる地獄へと変えるために、ゆっくりと校舎の中へ入っていった。