「それじゃ、辰雄。

紗栄子のクソガキをぶっ殺しに行こうじゃないか。

とりあえず、校舎に戻ろうぜ。

誰かの悲鳴が聞こえてきたら、それは紗栄子が現れた合図だからよ」



野球部の部室を破壊するのに飽きた虎治が、バッドを担いだまま部室を抜け出し、校舎に向かって歩き出した。



辰雄はそんな虎治の背中を追って、足早に歩いていた。



「なぁ、辰雄。

バケモノになった紗栄子をレイプするのはなしだよな。

紗栄子も自殺するくらいなら、あのままオレたちに遊ばれてた方が良かったのにな」



虎治の心には倫理観の欠片もない。



そんな虎治と偶然にも同じ空間に居合わせてしまった人は、どうしようもなく不運で不幸だ。



辰雄は虎治という狂犬から離れたくても離れられずに、バケモノと化した紗栄子を殺すために、夜の校舎へと入っていった。